人材育成ストーリー ~海外先進事例の体験による人材育成~

日本の小売・流通業は海外の優良事例、とりわけ米国のスーパーマーケットやディスカウントストア等を参考に発展してきた。
現在も多くの企業が定期的に視察に訪れており、現在の米国のトレンドが3年後、5年後の日本のトレンドとなる可能性が高い。
当社は企画提案型の営業を生命線としており、最新トレンドの収集は必須であるものの、業界誌の購読、専門講師による外部研修にとどまっていた。激変するトレンドに対応し、お取引先からビジネスパートナーとして選ばれ続けるためには、営業担当者の知見を高めるあたらしい研修制度の創設が必要な時期をむかえていた。

Chapter 1 海外研修制度の創設

「百聞は一見に如かず」の考え方から、現地への研修団派遣の制度化を前提に検討をすすめた。
国際交流がすすみ、海外渡航が特別なことではなくなった現在の状況をふまえ、より効果的に研修効果を得るため、職能に応じた階層別に実施することとした。また全農が主催する課題別海外研修についても、目的、効果を確認のうえ積極的に参加することにした。

階層別研修制度

Chapter 2 中堅社員海外研修団の派遣

平成27年11月、会社として初めての海外研修を企画・実施した。研修先は流通研修の主流であり、受入実績も確かなアメリカ西海岸地域を選定した。人選は所属長からの推薦方式をとり、入社6年目以上の中堅社員9名および事務局1名、団長を務める役員1名の計11名で研修団を編成した。
研修内容は主にロサンゼルス近郊の量販店の業態別視察を中心としたが、日本との生産規模の違いを体感することを目的に農場訪問も組み込んだ。

カリフォルニア州サリナスでの研修風景

視察先店舗の分類

Chapter 3 研修成果の社内還元

帰国後、参加者それぞれが分担してレポートを作成した。漠然とした研修にならないよう、参加者には事前課題として、取引先店舗のリサーチを課し、視察時ポイントをあらかじめ明確にした上での実施であったため、店舗運営全体に及ぶ質疑応答ができ、執筆者の所感を含め、密度の濃いレポートが仕上がった。本レポートは職場別報告会での使用、社内LANへの掲示など、研修結果の社内共有に活用した。

日本ではまだ少ない有機野菜コーナーが充実

日本では見かけないビュッフェ・スタイルでのデリ販売

Chapter 4 未来を見すえて

政府は農産物輸出の一層の促進を示し、農林水産物の輸出額について1兆円を目標に掲げている。
青果物の輸出は、鮮度保持、検疫等の非関税障壁などの課題が多く、当社においても輸出実績はほぼ皆無に等しい。
しかし国内人口の減少トレンドが継続し国内マーケットの縮小がすすむなかでは、いずれは本格的に輸出に取り組む日がやってくる。
海外研修の実施は効果がすぐに成果にあらわれるものではなく、また費用的にも小さくない支出となるが、未来を見据えた必要な投資と整理し、今後も多方面に実施していく。

農林水産物の輸出推移

単位:百万円
年度 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
合計 451,140 449,687 550,523 611,706 745,100
農産物 265,188 268,027 313,643 356,929 443,123
林産物 12,324 11,844 15,239 21,105 26,324
水産物 173,628 169,816 221,642 233,672 275,652

出典:農林水産省HP